【日本酒の基礎知識】吟醸酒?純米酒?一言で言うと?特徴を簡単紹介! 〜日本酒勉強中のふじこふが紹介〜
はじめに
前回は、日本酒の分類についてご紹介しました。
日本酒の原材料や作り方を表す「特別名称酒」のおさらいをちょこっと。
「特定名称酒」とはよいお米を使った、醸造アルコールの割合が10%未満で、麹米を15%以上使っているものは「特別名称」という詳細な分類をつけて、どんな配合でお酒を作っているか分かるように表示できる名称で、それを「純米酒」や「吟醸酒」と呼んでいる。
(詳しくは下記リンクを宜しければご覧ください。)
分類が分かったところで、「じゃあそれぞれの名称はどんな特徴があるの?」という疑問が沸いてきたので、今回はかなり乱暴にはなってしまいますが、「一言でお酒の特徴を説明できる!」ように分類していきたいと思います。
これを見れば、お店でお酒を選ぶとき、誰かに聞かれたとき、何となくいい感じで説明ができる…はず。
日本酒を一言で「こんなお酒!」と簡単説明
とてもざっくりとしたカテゴリーわけをして、分かりやすく表現してみました。
まず、縦軸は「香りの強さ」。
これは、精米具合によって変わってきます。
精米具合で何で香りが変わってくるかは二つ理由があります。
- お米の表面部分の雑味が残ってしまう。
- お米の表面にある脂質が香りの邪魔をする。
お米は磨けば磨くほど、表面の雑味と脂質が減って、香りがよくなる傾向にあります。
ただ、沢山磨いたお酒が良いというわけでもなく、磨きすぎると旨味がなくなってしまうという難しいところではあります。
そして、横軸は「醸造アルコールの添付量」で、添付量が多いほどさっぱり、少ないほど濃いめなお味になります。
醸造アルコールでさっぱり濃いめが変わってくる理由は、
無味無臭の醸造アルコールが日本酒のキレや軽さを出してくれる
からです。
特定名称酒を「香り」と「味の濃さ」で4つのカテゴリーに分けてみました!
日本酒の「特定名称酒」は下記8つのものがあります。
それぞれの特長を表す一言も考えてみました。
左上「香り強め・さっぱり」グループ
大吟醸酒「飲み口が軽やかだけど香りがしっかり立ったお酒だよ。」
吟醸酒「軽やかな飲み口と香りのバランスの良いお酒だよ。」
特別本醸造「それぞれの酒蔵の特別な工夫がされた、比較的さらりと飲めるお酒だよ。」
右上 「香り強め・濃いめ」グループ
純米大吟醸「お米の旨味やコクと香りがとても良い、華やかなお酒だよ。」
純米吟醸 「お米の旨味、香りと味わいのバランスが良いお酒だよ。」
特別純米 「お米本来の旨味と、それぞれの酒蔵の特別な工夫がされたしっかりとした味わいのお酒だよ。」
左下 「香り弱め・さっぱり」グループ
本醸造「辛口ですっきりしたものが多くて、飲み飽きないお酒だよ。」
右下 「香り弱め・濃いめ」グループ
純米「お米だけでつくっている、お米本来のふくよかさが味わえるお酒だよ。」
もちろん、精米具合や醸造アルコールの添加具合だけでなく、お米の旨味や熟成方法等、日本酒の味はとても複雑にできています。「純米酒」なのにさっぱりしていたり、香りがあるものもありますし、純米大吟醸でもさっぱりと頂けるものもたくさんあります。あくまで、ざっくりとした目安としてとらえていただけると幸いです。
まとめ
世界の中でもこんなに複雑な味を出せるお酒は中々ないといわれている日本酒。糖、アミノ酸、酸等のバランスで決まるといわれていますが、すごく難しい…。それぞれ味のとらえ方も違いますし、どう表現していいか、とても乱暴なまとめになってしまいました。そして日本酒の奥の深さも改めて実感。
本日もふじこふの日本酒勉強にお付き合い頂きありがとうございました!
【日本酒の基礎知識】吟醸?純米大吟醸?日本酒の分類を分かりやすく紹介! 〜日本酒勉強中のふじこふが紹介〜
はじめに
前回は、日本酒の定義、「そもそも日本酒って何?」をご紹介しました。
ざっくりとおさらいで、日本酒とは
「米をメインの原料として発酵させたものをこして作った、アルコール22%未満のお酒」
醸造アルコールの割合によって、「普通酒」、「本醸造酒や吟醸酒」「純米酒」に分けられる
お酒です。(詳しくは下記リンクを宜しければご覧ください。)
今回は、よく聞く「吟醸酒」だったり「純米酒」という分類は何なのかをご紹介したいと思います。
「吟醸酒」や「純米酒」等の分類は精米具合、米麹、醸造アルコールの配分によって決められる
前回、日本酒(清酒)の中でも、醸造アルコールの添加割合によって、分類が分かれることをご紹介しました。
醸造アルコールの割合で日本酒は下記3種に分けられます。
10~50%のものを「普通酒」
10%未満のものを「本醸造酒」や「吟醸酒」
0%(全く使っていない)ものが「純米酒」
「純米酒」、「本醸造酒」や「吟醸酒」(醸造アルコール割合が10%未満)のうち、麹米の使用割合が15%以上のもの、かつ3等以上に格付けされたお米を使っていることで「特定名称」というものをつけることができます。
「特定名称」が、よく聞く「吟醸」や「純米大吟醸」という分類名なんですね。
まとめると、
よいお米を使った、醸造アルコールの割合が10%未満で、麹米を15%以上使っているものは「特別名称」という詳細な分類をつけて、どんな配合でお酒を作っているか分かるように特定の名称で表示できる
ということですね。
ふじこふ風ざっくりまとめだと、「特別名称酒」とは、
「日本が誇る素晴らしいお米や米麹を沢山使ったお酒は、もっと細かくどんなお酒か分かるように名乗って、お客様が楽しみやすいようにしましょう。」
という工夫なのかなと私は解釈しています。
「特定名称酒」の分類
まずは「特定名称酒」は2つの種類に分かれます。
・お米しか使っていない、「純米酒」グループ
・醸造アルコールを使っている、「吟醸酒」「醸造酒」グループ
そしてそのグループの中でも、精米歩合で名乗れる名称が変わってきます。
ちなみに精米歩合とは、どれくらいお米の外側を削ったかを表すもの。
例えば精米歩合60%だったら、外側を40%削ったことになります。
まずは先に、
「純米酒」グループ
純米大吟醸 (精米歩合50%以下)
純米吟醸 (精米歩合60%以下)
純米 (規定は特になし)
あと、「特別純米酒」というものがありますが、これは精米具合が60%以下で特別な醸造方法で作られたものが名乗ることができます。
この「特別な醸造方法」というのが、細かく条件が定められているわけではなく、その酒造さんごとに通常の純米酒とはちょっと違う工夫をされていたり、純米酒と差別化を図りたい時などに使う名称で、その酒蔵さんの個性や工夫が光るものが多い日本酒なんですね。特別純米を名乗っている場合は何が特別なのか、必ずラベルに記載してあるので、そちらもチェックしてみてください。こちらはまた別途勉強してご紹介します!
「吟醸酒」「醸造酒」グループ
大吟醸 (精米歩合50%以下)
吟醸 (精米歩合60%以下)
本醸造 (精米歩合 70%以下)
こちらも同じく「特別本醸造酒」というものがあって、これも酒蔵さんのこだわりがひかるスペシャルな名称になっています。
この他、吟醸酒と名乗るには「吟醸造り」というよく磨いたお米を低温で長時間発酵させる製法で作ったものを指すというくくりもありますが、こちらもまた改めて勉強してご紹介します。
まとめ
日本酒の分類はまず、醸造アルコールを使っているかどうかで分かれ(「普通酒」、もしくは「特定名称酒」に分類されます。
その中でも、よいお米を使った、醸造アルコールの割合が10%未満で、麹米を15%以上使っているものは「特別名称」という詳細な分類をつけて、どんな配合でお酒を作っているか分かるように特定の名称で表示できます。
色々調べていてちょっと意外だったのが、こちらの「特定名称酒」の分類は、平成元年に告知されたルールだそう。「清酒の製法品質表示基準」という名称で国税庁から告知がされていました。もう少し古くからこういった分類があるのかと思っていました。
日本酒の分類だけでもこんなにあって、色々な事が分かりますね。これからはお酒がどんな配分で作られているのかを考えながら飲んでみたいと思います。
本日もふじこふの日本酒勉強にお付き合い頂きありがとうございました!
日本酒その15 一ノ蔵 特別純米原酒 3.11未来へつなぐバトン
一ノ蔵「特別純米原酒 3.11未来へつなぐバトン」
かぶの煮物と一緒に。
こちらの一の蔵さんは宮城県大崎市の酒蔵さん。
東日本大震災で被害にあわれた際の支援のお返し
を、という思いから「ハタチ基金」に参加されています。
ハタチ基金とは東日本大震災の時に0歳だったお子さんが20歳になるまで、様々なサポートを行う為の基金です。
そしてこちらのお酒の売上はハタチ基金に寄付されるそうです。
美味しいお酒が頂けて、支援もさせてもらえて、本当に良い取り組みだなと思います。
お味はほんのり甘めの柔らかめ。
飲んでまた温かい気持ちになるお酒でした。
【日本酒の基礎知識】そもそも日本酒って何? 〜日本酒勉強中のふじこふが紹介〜
はじめに
日々日本酒を飲んでいるけれど、そもそも日本酒って何だろう?ふと疑問に感じました。色々紹介をしながらも、ちゃんと理解していないなと感じることが多く勉強をはじめました。何となく「お米から作られているんだよね。」だったり「麹を使っているんだよね。」というところから、日本酒の初心者からの脱却を目指して勉強した内容を復習がてら紹介したいと思います。
そもそも日本酒とは?(日本酒の定義)
まずここからですね。
そもそも日本酒とは何だろう?どんなお酒が日本酒と認められて、日本酒と名乗っていいのか。日本酒の定義とルール、法律も含めて紹介していきます。
日本酒の定義
日本酒は主に「酒税法」が包括的な法律になっていて、そこに定義が定められています。
法律で定められている条件はざっくりこの3つです。
「米を原料として使用していること。」
「米や米こうじ、酒かす、その他法律で定められた物品
(ぶどう糖、水あめ、有機酸、アミノ酸塩)を発酵させてこしていること。」
*ただし米(こうじ米を含む)以外のものを使って発酵させる場合は、米の重量の50%までしか使えない。)
「アルコール分が22度未満のもの。」
酒税法では「清酒」という表記になっています。
すごくざっくりまとめてしまうと、
日本酒とは、
「米をメインの原料として発酵させたものをこして作った、アルコール22%未満のお酒」
といことになります。
酒税法も見てみます。
酒税法(昭和二八・二・二八法律第六号)(抄)
清酒 次に掲げる酒類でアルコール分が二十二度未満のものをいう。
イ 米、米こうじ及び水を原料として発酵させて、こしたもの
ロ 米、米こうじ、水及び清酒かすその他政令で定める物品を原料として発酵させて、こしたもの(その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が米(こうじ米を含む。)の重量の百分の五十を超えないものに限る。)
ハ 清酒に清酒かすを加えて、こしたもの
酒税法施行令(昭和三七・三・三一政令第九七号)(抄)
(清酒の原料)
第二条 法第三条第三号ロに規定する清酒の原料として政令で定める物品は、次に掲げるものとする。ただし、第二号に掲げる物品については、米、水及び米こうじとともに清酒の原料とする場合に限る。
一 麦、あわ、とうもろこし、こうりゃん、きび、ひえ若しくはでんぷん又はこれらのこうじ
二 アルコール(法第三条第五号の規定(アルコール分に関する 規定を除く。)に該当する酒類(水以外の物品を加えたものを除く。)でアルコール分が三十六度以上四十五度以下のものを含む。以下同じ。)、しょうちゅう(水以外の物品を加えたものを除く。第五十条第三項及び第四項並びに第五十六条第二項第一号及び第三項を除き、以下同じ。)ぶどう糖、水あめ、有機酸、アミノ酸塩又は清酒
出典:国税庁ホームページ(https://www.nta.go.jp/about/council/sake-bunkakai/021127/shiryo/07a.htm)
清酒(日本酒)の中での分類
清酒の中でも、醸造アルコール(主にサトウキビを発行させて作ったアルコール)の割合によって分かれます。
醸造アルコールの割合が、
10~50%のものを「普通酒」
10%未満のものを「本醸造酒」や「吟醸酒」
0%(全く使っていない)ものが「純米酒」
と分類されます。
醸造アルコールを入れる理由
なんとなく、「じゃあ100%米の純米酒がいいじゃん!」って思ってしまいがちですが、醸造アルコールもいい仕事をしてくれます。
飲み口がすっきり軽くなる
高いアルコール度の醸造アルコールを加えることで、飲み口がよりクリアになってきます。
香りを良くする
香りの成分が水よりもアルコールに溶けやすいため、醸造アルコールを入れると香りがより際立つようになります。
品質が安定する
高いアルコール度の醸造アルコールを加えることで、腐敗が防げ、もろみが扱いやすくなるため、品質が安定します。
醸造アルコールの入れ方も含め、日本酒を構成する成分をいかにブレンドしていくかがそのお酒の個性になっていくわけですね。
ちなみに、醸造アルコールを10%~50%使っている「普通酒」が日本酒全体の70%を占めているくらい、醸造アルコールはなくてなならないものなんです。
まとめ
日本酒とは、
「米をメインの原料として発酵させたものをこして作った、アルコール22%未満のお酒」
醸造アルコールの割合によって、「普通酒」、「本醸造酒や吟醸酒」「純米酒」に分けられる
お酒です。
となってくると、普段よく目にしている「純米大吟醸」とか「特別純米酒」とかの分け方はなんぞや、という疑問が沸いてくるかと思うので、これはまた改めて勉強してご紹介したいと思います。
初心者ふじこふの日本酒の勉強にお付き合い頂きありがとうございました。
もう少しstay homeの配慮が続く中ではありますが、家飲みを楽しみながら外で日本酒を楽しめる時を待ちたいと思います。
日本酒その14 みむろ杉 特別純米辛口 露葉風
これも少し前ですがよいお酒でした。
みむろ杉 特別純米辛口 露葉風
「露葉風」という奈良で唯一の酒造好適米奨励品種を使って作ったお酒。
露葉風は心白(お米の真ん中な白い部分で、澱粉質が多くて麹が入りやすい部分)が多くて、お酒に適しているものの、栽培が中々難しい品種だそう。
辛口でフレッシュ。
乳酸ぽい酸味があるのでまたすっきりしてました。
みむろ杉、他も飲んでみたい…。
日本酒その13 清洲 純米吟醸
野菜が美味しくなってきた!
清洲 純米吟醸
わらびのお浸しと明太子
わらびはアク抜きがちょっと面倒でした…。
鬼ころしで有名な清洲桜酒造さん。
清洲は近くのイオン系スーパーで購入。
スーパーのお酒はどうなんだろう?と
思いましたが、おいしかったです。
軽めだけどしっかり日本酒の甘さと
お酒らしい熟成感が感じられます。
でも全体的にはすっきりかな。
そしてこのお酒、
「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2015」
というコンペティションで部門の金賞を受賞しているそう。
ワイングラスなどなど、酒器を変えると
また味が変わるかと思うので、
よいグラスがあれば購入したいですね。
【おいしい市販の日本酒】宝剣 純米 超辛口 (広島県 宝剣酒造)~ふじこふおすすめ~
はじめに
日本酒を買うときって、冒険したくないけど失敗したくないなぁ、って時ありませんか?そんな時に必ず1本常備しておく我が家の定番、宝剣の超辛口です。
宝剣 純米 超辛口 (広島県 宝剣酒造)
概要
商品名:宝剣 純米 超辛口
特定名称:純米吟醸 無濾過生原酒
原材料:米、米麹
使用米:八反錦(広島産)
精米歩合:60%
アルコール分:17~18度
日本酒度:-
酸度:-
産地: 広島県 宝剣酒造
簡単レビュー
超辛口」の通り!純粋に糖分の少なさを感じます。ただ、辛さを感じた後にふくよかな甘みみたいなものも最後に感じるんですよねぇ。辛口あんまり好きじゃない方にもオススメできそうです。食中酒としてぐいぐい飲んでしまいました。
この日本酒に合う料理
安定の食中酒なので何を合わせたらいいのか逆に悩んでしまうのですが、もう自分の大好物と合わせたらいいのかと思います。我が家の家族は焼き鳥(鶏肉)が大好きなので焼き鳥でよく飲んでいます。水がよいからか飲みのスピードが速くなってしまうのでおつまみの量には注意してください。
ふじこふチャートで分かりやすくおすすめ
ふじこふチャートでは、独自の感覚で日本酒をおすすめします。
縦軸では「辛い」、「甘い」
横軸では「どのタイミングで飲みたいか?」
最初の1杯
次の2杯目
あったまってきて飲む3杯目
最後に締めとして飲む4杯目
をプロットしています。
宝剣は「辛め」の「あったまってきた3杯目」に飲みたいお酒です。
かなり磨かれているからなのか、なんとなく華やかさがあるお酒なんですよね。大吟醸ほどじゃないけど鮮やか系のお酒が飲みたいときに最初に持ってきてあげてもいいかなと思います。ただ食中酒としてお食事を進めていくときにも大活躍してくれるので、あえての1杯目と2杯目の間とさせていただきました。
さいごに
「美寿々」の由来は万葉集に出てくる「みすずがる」という信濃の国を表現した枕詞だそう。おそらく昔から水がきれいな自然豊かな土地だったんだろうなをうかがえるきれいなネーミング。酒蔵さんも大きなところではないですが、丁寧にお仕事をされていることがうかがえる姿勢が好感が持てます。食中酒大好きな我が家にはぴったりなお酒でした。